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菅野 龍太郎*; 沼波 政倫*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉; 高丸 尚教*
Nuclear Fusion, 58(1), p.016033_1 - 016033_7, 2018/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Fluids & Plasmas)摂動磁場による磁気面の破壊を伴う乱れた磁場構造をもつトーラスプラズマ中の電子熱輸送について研究を行った。本論文では、摂動磁場に沿った粒子の平行方向軌道に起因する熱輸送が、捕捉粒子軌道の効果によって低減されることを明らかにした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 24(10), p.102522_1 - 102522_9, 2017/10
被引用回数:4 パーセンタイル:21.49(Physics, Fluids & Plasmas)軸対称磁場閉じ込め装置であるトカマク型プラズマにおいて、誤差磁場等に起因する3次元的な非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点から注目されている。近年、3次元摂動磁場が駆動する衝突性粘性について、従来より広く用いられてきたバウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、二つの異なるモデルに基づいた大域的運動論シミュレーションを用いて詳細な解析を行い、上記の差異が生じる物理機構について検討した。その結果、理論モデルと大域的シミュレーションの不一致が、(1)粒子軌道の効果によって粒子軌道の共鳴構造が失われ、粒子が実効的に感じる摂動磁場強度が弱まること、(2)粒子軌道に沿った位相混合により速度空間構造内に微細構造が生成され輸送量の減衰が起きること、の二つが原因であることを明らかにした。
Huang, B.*; 佐竹 真介*; 菅野 龍太郎*; 洲鎌 英雄*; 松岡 清吉
Physics of Plasmas, 24(2), p.022503_1 - 022503_19, 2017/02
被引用回数:11 パーセンタイル:53.64(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ中の衝突性輸送(新古典輸送)を記述するドリフト運動論方程式に関して、近年、ゼロ軌道幅(ZOW)モデルと呼ばれる新たな局所近似近似モデルが提案されている。本研究では、ZOWモデルに基づく新古典輸送評価の妥当性を検証することを目的として、典型的な3つのヘリカル型磁場配位LHD, HSX, W7-Xのプラズマについて、種々の近似モデルを用いた新古典輸送及び平行方向フローのベンチマーク計算を実施した。その結果、ZOWモデルによる新古典輸送は径電場が大きく粒子のドリフトが大きい時には従来型の近似モデルをほぼ再現することを示した。また、従来型近似モデルを用いた場合には、ドリフトが小さく磁場ドリフトと同程度になった際に生じる非物理的な大きな新古典輸送が生じるが、このような非物理的な輸送の増大がZOWモデルでは生じないことも明らかになった。
菅野 龍太郎*; 沼波 政倫*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉; 高丸 尚教*
Contributions to Plasma Physics, 56(6-8), p.592 - 597, 2016/08
被引用回数:2 パーセンタイル:11.45(Physics, Fluids & Plasmas)共鳴摂動磁場と径電場の効果を含む準定常状態の衝突性輸送を計算するための法に基づくドリフト運動論コードを開発した。本論文では、コードの妥当性を複数のテスト問題によって確認した。その結果、径電場がない場合に磁力線のカオス的振る舞いによって強く影響を受ける電子輸送が、正の径電場によって低減されることを明らかにした。
洲鎌 英雄*; 松岡 清吉; 佐竹 真介*; 菅野 龍太郎*
Physics of Plasmas, 23(4), p.042502_1 - 042502_11, 2016/04
被引用回数:7 パーセンタイル:37.08(Physics, Fluids & Plasmas)ドリフト運動論方程式について、及び磁気面に沿ったドリフトの両者を含む新たな径方向局所近似モデルを構築した。このモデルは保存系で表現されており定常解を得るための追加のソース項を必要としない為、数値計算に適したモデルとなっている。このモデルから得られる解は、準対称性を持つ磁場配位における性質として重要な、衝突性粒子輸送の両極性条件を満たす。また、逆に、両極性条件を故意に破るような近似モデルを考えた場合には、衝突性輸送によるエントロピー生成の正値性及び拡散係数のオンサーガー対称性が得られることを示した。
大井川 宏之; 安藤 真樹; 飯島 進; 高木 直行*; 植松 眞理マリアンヌ*
JAERI-Research 2001-036, 48 Pages, 2001/06
大型高速炉の冷却材循環ポンプ停止時に負の反応度フィードバックを与えることを目的としたガス膨張機構(GEM)の模擬試験を高速炉臨界実験装置FCAにおいて実施した。炉外GEMと炉内GEMについて反応度効果を測定し、計算と比較して予測精度を検討した。炉外GEMでは、構造材である鉄の自己遮蔽効果を適切に評価する必要があることがわかった。決定論的手法では10~20%の過大評価となるが、モンテカルロ法を用いると予測精度を10%以内に改善できることがわかった。炉内GEMでは、中性子ストリーミング効果を考慮できるようなセル均質化法を採用する必要があることがわかった。最小二乗法による成分別予測精度評価の結果、非漏洩成分は10~20%の過大評価であるが、漏洩項は実験誤差の範囲内で実験と計算が一致することが明らかとなった。
Hunter
JNC TN9400 99-049, 74 Pages, 1999/04
本報告書は、ロシア・オブニンスク物理エネルギー研究所(IPPE)の臨界実験施設BFS-2において実施されたBFS-58-1-I1実験の測定値に対する解析結果を記載したものである。同実験体系は、Pu燃焼炉としてUが存在しない炉心を構成したものである。測定量は、実効増倍係数、Naボイド反応度価値、物資サンプル反応度価値及び反応率比である。解析における基本核データライブラリは、JENDL-3.2を用いた。種々の物質構成を持つ実験体系各部の実効断面積はSLAROM及びCASUPにより求めた。この際、2次元的な物質配置を1次元非均質モデルで処理するために、3種類のオプションを用いて検討を行った。中性子束分布及び実効増倍係数は、2次元r-z体系で、拡散理論(CITATION)及び輸送理論(TWOTRAN2)を用いて求めた。反応度価値は、直接計算及び厳密摂動計算(拡散計算の場合PERKYを、輸送計算の場合SN-PERTを使用)によって求めた。実験体系仕様及び実験結果の詳細は、ロシアへの委託研究ISTC-220の報告書をベースに、不明点をIPPE技術者から追加入手した。解析結果については、ISTC報告会でIPPE及び仏CEAの結果を入手した。参考のため、本実験値に対するIPPE及び仏CEAによる解析値も記載した。実効増倍係数は、解析値が実験値に対して1.1%k/kk'大きかった。Naボイド反応度価値のC/E値は約1.06だった。これらは実験解析上の誤差を考慮すれば整合性に問題ない結果と考えられる。物質サンプル反応度価値のC/E値は概ね1.11.3の範囲であり、各種反応率比のC/E値は1.0からのずれが大きかった。これらについては、実験解析上の誤差からは合理的な説明ができず、IPPE提示の実験誤差や今回使用した解析モデルの改善等についてさらなる検討が必要である。本実験解析の実施により、Uが存在しない炉心体系における解析精度に関する情報が初めて得られたことに加え、今後推進されるロシアとの研究協力を通じて解析対象とすべきBFS-2臨界実験体系のモデル化に関する知見を蓄積できた。なお、今後の検討に資するため、BFS-58-1-I1実験体系に関するIPPEの提示情報、計算モデル構築上修正する必要性が生じた情報、及び解析用データセットをそれぞれ付録にまとめた。
大井川 宏之
JAERI-Research 98-061, 22 Pages, 1998/11
板状セルに関して、セルの非均質性に起因する非等方中性子ストリーミング効果を輸送理論に取り入れるための手法を考案した。この手法は、均質化後の輸送方程式の漏洩演算子及び断面積に角度依存因子を乗じることにより、非均質セルの角度中性子束、角度依存反応率及び中性子漏洩率を均質体系の体系計算で保存するものである。簡単な2領域、エネルギー1群の計算で本手法の適用性を評価した結果、ブノアの異方性拡散係数を使った拡散計算では過大評価されるような非均質性の高いセルの中性子ストリーミング効果も精度良く計算できることがわかった。
竹田 敏一*; 北田 孝典*; 山本 敏久*; 片木 洋介*
PNC TJ9605 98-001, 267 Pages, 1998/03
高速炉核特性の数値解析手法の改良として、マルチバンド法、摂動モンテカルロ法、輸送ノード法に関連する研究を行った。本報告書は以下の3部に分かれている。第1部 マルチバンド法による反応率計算法の改良マルチバンド法を用いて、ブランケット領域の反応率分布を詳細に評価する手法を検討した。フィッティング法によって作成した3バンドパラメータを用いて、U-238捕獲反応、U-235核分裂反応、Pu-239核分裂反応、U-238核分裂反応の反応率分布を解析した。対象核種としては、構造核種である鉄、ニッケル、クロム、およびナトリウムの4核種とした。マルチバンド法を用いることにより、いずれの反応率もブランケット深部で反応が増大する方向に補正され、補正量は最大で5%に達した。この結果は、従来の解析手法による実験値とのずれを改善する方向である。またこの補正量は、マルチバンド法におけるバンド間の散乱の取り扱いによって大幅に異なることがわかった。従来のフィッティング法の問題点を解決するべく、直接的なマルチバンドパラメータの作成法の検討も行った。第2部 摂動モンテカルロ法による反応度評価手法の改良摂動モンテカルロ法による摂動計算理論の検討及び、計算コードの作成を行った。昨年度までに使用していた相関サンプリング法だけでなく、導関数演算子サンプリング法でも計算できる、連続エネルギー摂動モンテカルロ計算コードを作成した。作成した計算コードを用いて「もんじゅ」炉心を対象とした計算を行い、参照解と比較検討した。「もんじゅ」にGEMまたは模擬燃料集合体を装荷した体系で、それらの集合体内のナトリウム密度を変化させた摂動、また制御棒全引き抜き体系で体系内のナトリウム密度を一様に変化させた摂動にともなう固有値の変化を調べた。ナトリウム密度の変化が小さい場合には、相関サンプリング法と導関数演算子サンプリング法のどちらの手法でも良好な結果を得ることができた。しかしながら、密度変化が大きい場合には、相関サンプリング法では妥当な結果を得ることができなかったが、導関数演算子サンプリング法では、そのような大きな密度摂動の場合でも良好な結果を得ることができることがわかった。第3部 3次元六角体系用輸送ノード法の改良集合体(ノード)内平均中性子束及びノード境界の中性子束から、集合体出力分布を評価する手法を、輸送理論に基づき導出し
Fletcher, J. K.
PNC TN9410 97-065, 25 Pages, 1997/07
位置r、単位方向ベクトルの中性子束を(r, )と定義すると、多群輸送方程式は次式で表される。ただし、t(r)、はそれぞれ、全断面積、方向1 からへの散乱断面積、生成断面積を表し、また、は臨界係数を、(r,)は外部中性子源を表す。そして、この方程式を次の球面調和関数展開を用いて解く。ここで、(cos )はオーダーのルジャンドル陪関数で、とはそれぞれ方向の仰角及び方位角を表す。NはPN近似の次数を表す。三角関数の多項式である球面調和関数の直交性と漸化式を用いることにより、展開係数とに関する1階の微分方程式が導かれる。が奇数の項を消去することにより、拡散方程式の場合に用いられるような通常の有限差分法により解くことの可能な、2次の微分方程式が導かれる。メッシュ誤差低減は、その記述式の高次の差分項を保持したまま、2次式を用いて数値的に近似することにより行われる。当手法の採用により、メッシュ誤差は大幅に減少され、他の手法、特にモンテカルロ法により得られたものに匹敵する結果を直接計算することが可能となった。
竹田 敏一*; 木本 達也*; 北田 孝典*; 片木 洋介*
PNC TJ9605 97-001, 100 Pages, 1997/03
本報告書は次の2部と付録から構成されている。第1部 摂動モンテカルロ法による反応度評価手法の改良第2部 3次元六角体系用輸送ノード法の改良付録 高速炉におけるドップラー反応度解析のためのU238サンプルの実効断面積第1部 摂動モンテカルロ法による反応度評価手法の改良摂動モンテカルロ法の理論式の検討を行い、その後摂動モンテカルロ法の計算コードへの導入を行った。同じヒストリー数の計算を行ったところ、摂動モンテカルロ計算コードでの計算時間は、通常のモンテカルロ計算の12割程度の増加であった。作成した摂動モンテカルロ計算コードを用いて行った試計算結果は概ね妥当であり、また偏差も十分に小さいことから、摂動モンテカルロ法の有効性が示された。 しかしながら、得られた摂動前後の固有値の差が評価手法により、正や負になる場合があること、また、摂動による中性子源分布の変化を考慮しない従来手法と、摂動による中性子源分布の変化を考慮する新手法の間で、計算結果に有為な差が見られないことから、さらに摂動モンテカルロ計算コードに対して検討を加える必要がある。第2部 3次元六角体系用輸送ノード法の改良ノード法を用いた六角-Z体系用輸送計算コード「NSHEX」は、高速炉の炉心計算において非常に精度のよい評価を得ることがこれまでの研究で確かめられてきた。しかし非均質性の高い炉心においてややその精度が劣ることがわかっている。その原因として、ノード内空間分布を求める際用いる横方向もれの評価法が挙げられる。径方向スイープ時における、集合体からの径方向もれ分布を得るためには各ノード頂点中性子束を評価する必要がある。従来法では、その頂点の周囲のノード境界平均中性子束を用いている。新手法においては、その頂点近傍の中性子束分布を、いくつかの寄与が大きいと考えられるノード、およびノード境界の中性子束をパラメータとしてx,u 2次式で評価し、その分布式より頂点中性子束を算出している。以上の手法を用い、NEACRP 3D NEUTRON TRANSPORT BENCHMARKSの小型高速炉モデル、および実機「もんじゅ」体系を用いて検討計算を行った。その結果実効増倍率においては、多群モンテカルロ法によるGMVPに対して、どの手法もほぼ0.1%以内に一致する。各領域の中性子束も、数%以内に一致したものの、制御棒の挿入された体
山本 俊弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(1), p.78 - 82, 1996/01
被引用回数:1 パーセンタイル:14.44(Nuclear Science & Technology)「境界インポータンス」の概念を用いて、中性子増倍率を最大にする溶液燃料の自由液面形状を求める方法を示した。二次元平面形状の溶液燃料に対する最適形状を、多群、有限要素、S輸送コード、TRIPLETを用いて例示した。「界面インポータンス」なる新たな概念を定義し、それにより、二つの異なる媒質が接する界面の最適形状を求めた。最適な界面形状は、界面インポータンスを当該界面に沿って一定にすることで達成される。最適な界面形状が存在し得る必要条件についての議論を行った。
佐藤 理*; 窪田 龍太郎*
PNC TJ2222 93-001, 88 Pages, 1993/03
「もんじゅ」炉心性能試験で実施される制御棒等の反応度価値測定に際し、その測定精度を向上させるため、反応度価値測定試験への修正中性子源増倍法(MSM法)の適用を前年度より検討してきた。本年度は、前年度の課題である、MSM法で検出器応答の比から反応度の比を求めるための補正係数の計算精度の向上及び誤差評価を行い、実機での反応度測定の精度向上に資するために以下の検討を行った。(1)固定中性子源問題の解法の検討(2)中性子束計算方法の精度評価(3)MSM法の反応度測定精度の予備検討固定中性子源問題の解法の検討では、補正係数の精度を更に向上させるため、浅い未臨界系を含め、固定中性子源を含む増倍系での中性子東計算方法(収束性)の検討を実施した。固有値計算で得られた中性子束と随伴中性子束を用いて作成した初期中性子分布を用いることにより、従来難しいとされていた浅い未臨界系での固定線源問題が解けることがわかった。この方法を前年度行ったMSM法の適用性検討に用いることにより、補正系数の計算精度の向上を得た。たとえば、比較的深い未臨界度(実効増倍率=0.9671)の体系では、MSM法により予測した反応度と直接計算値との差異が約7.3%から約0.4%に減少した。MSM法の補正係数を計算する場合には、計算体系を分割し、各々の中性子輸送計算を接続させる必要があるので、XY体系とR体系の接続計算による中性子束計算方法の精度の検討を簡単なモデルで行った。
大杉 俊隆; 宿谷 弘行*; 吉田 弘幸
JAERI-M 83-157, 69 Pages, 1983/09
非均質高速炉炉心の炉物理特性を評価するに際し、多群断面積作成および原子炉計算の両側面から従来の近似的方法に対する影響を明らかにするため、非均質炉心概念を適用したクリンチリバー増殖炉に関するベンチマーク炉心であるZPPR-7Aでの実験を解析した。解析に用いた基本的炉定数は18群であり、共鳴および空間的自己遮蔽効果を考慮し、SLAROMコードを用いてJFS-3-J2 70群断面積セットから作成した。積分量の計算に用いた基本的方法としては、(1)各ドロワーが無限に配列されているとして縮約した群定数を用いること、(2)R-Z体系に対して拡散理論を適用すること、などである。非均質炉心の内部構造は非常に複雑であることを考慮して、種々の詳細解析法について検討を加えた。それらは、炉心-ブランケットの結合セルに基づく群定数の作成、輸送理論、方向依存拡散係数および3次元拡散理論を使用することなどである。
not registered
PNC TJ250 82-13, 44 Pages, 1982/03
この研究の主目的は、非均質炉心LMFBRの核特性に関する輸送効果を明確にすることである。径方向非均質炉心と通常の均質炉心の概念に基づく2種の1000MWeLMFBRの核特性について、2次元拡散コードPHENIX、2次元輸送コードTWOTRAN及びJAERI-FastVersion2・25群断面積セットを用いて検討した。この研究で検討を加えた核特性は、特に非均質炉心LMFBRに対して重要であると考えられる燃焼による燃料核種変化を含む増殖性、Naボイド反応度、出力分布である。この研究の過程において、輸送コードTWOTRANと拡散-燃焼計算コードPHENIXの燃焼ルーチンを結合することによって、輸送理論に基づく燃焼計算コードを作成した。主な結果は以下のとおりである。燃焼に伴う燃料核種の変化は、均質炉心LMFBR、非均質炉心LMFBR共に、拡散近似に基づく燃焼コードを用いることによって、充分な精度で推定することが可能である。均質炉心LMFBRにおける実効増倍率の輸送効果は、初装荷状態(BOL)において0.6%デルタK/KK´である。非均質炉心LMFBRにおけるこの輸送効果は、BOLにおいて0.95%デルタK/KK´であり、均質炉心の場合と比較してはるかに大きい。Naボイド反応度の輸送理論効果はBOLにおいて、均質炉心7%、非均質炉心21%である。均質炉心LMFBRの出力分布は、拡散コードを用いることで、充分正確に推定できるように思われる。しかし、非均質炉心LMFBRの、特にBOLでの出力分布を推定するためには輸送理論による計算が不可欠である。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
軸対称トカマクにおいて、プラズマ回転分布に大きく影響する非軸対称磁場摂動の効果がプラズマ性能や不安定性制御の観点から注目されている。非軸対称摂動磁場は非両極性粒子輸送を誘起し、それによって新古典トロイダル粘性(NTV)が生じる。近年、NTV解析について、バウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その原因の解明が問題となっていた。本研究では、二つの異なる大域的運動論シミュレーションを用いた解析を行い、バウンス平均理論との差異について検討した。その結果、NTV解析における理論モデルとシミュレーションの不一致が、理論モデルにおいて仮定されている共鳴条件の不備と摂動磁場に起因する遷移粒子軌道の存在、の二つに起因していることを明らかにした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
磁場構造が軸対称性をもつトカマク型装置において、非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が注目されている。磁場の非軸対象成分は新古典トロイダル粘性(NTV)と呼ばれる衝突性輸送に起因した粘性を駆動し、それがプラズマ回転分布に影響を与えるため、プラズマ回転を利用したプラズマ閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点からNTVは重要な研究対象となっている。近年、摂動磁場によるNTV解析について、バウンス平均モデルに基づくSuperbanana-plateau理論と大域的運動論シミュレーションによる結果が一致しないことが指摘され、その不一致の原因となる物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、物理モデルや計算手法について2つの異なる大域的運動論シミュレーションを用いてNTV解析を行い、理論モデルとの齟齬について検討した。その結果、(1)Superbanana-plateau理論で仮定されている歳差運動周波数の共鳴条件に不備があること、(2)摂動磁場による粒子軌道の遷移過程、の二つが理論において考慮されておらず、それらにより理論と大域的運動論シミュレーションによるNTV解析結果の不一致が生じていることを明らかにした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
軸対称トカマクにおいて、プラズマ回転分布に大きく影響する非軸対称磁場摂動の効果がプラズマ性能や不安定性制御の観点から注目されている。近年、NTV解析について、バウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その原因の解明が問題となっていた。本研究では、二つの異なる大域的運動論シミュレーションを用いた解析を行い、バウンス平均理論との差異について検討した。その結果、NTV解析における理論モデルとシミュレーションの不一致が、(1)バウンス平均理論で考えられている速度空間内の共鳴構造が粒子の大域的な軌道効果によって消失すること、(2)大域的な粒子軌道効果による速度空間内の微細構造形成、の二点によるものであることを明らかにした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
JT-60やITERをはじめとした軸対称トカマク型装置において、誤差磁場や外部印加摂動等に起因する非軸対称磁場の効果がプラズマ閉じ込め性能や不安定性制御の観点から注目されている。非軸対称摂動磁場がある場合、新古典トロイダル粘性(NTV)と呼ばれる粘性が生じ、その評価法の確立が重要な課題となっている。近年、NTV解析について、従来から広く用いられているバウンス平均モデルに基づいたsuperbanana-plateau理論と大域的運動論シミュレーションで得られたNTV解析結果が一致しないことが指摘され、その原因の解明が問題となっていた。本研究では、二つの大きく異なる大域的運動論シミュレーションを用いたNTV解析を行い、バウンス平均理論との差異について検討した。その結果、superbanana-plateau理論と大域的運動論シミュレーション間の不一致が、superbanana-plateau理論において仮定されている、歳差運動周波数についての共鳴条件の不備と摂動磁場による粒子軌道状態の遷移現象、の二つに起因していることを初めて明らかにした。
佐竹 真介*; 洲鎌 英雄*; 菅野 龍太郎*; 松岡 清吉; 井戸村 泰宏; Huang, B.*
no journal, ,
外部摂動磁場や誤差磁場によって完全な軸対称性が崩れたトカマクにおいて生じる新古典トロイダル粘性(NTV)は、摂動磁場が微弱であってもトロイダル回転分布に影響を与えるた め、その正確な評価方法が必要とされている。従来より、バウンス平均ドリフト運動論方程式を局所近似(径方向ドリフトを無視)して解析的数値的に解く手法が広く用いられてきた。しかし、近年、我々が開発した、及びfull-モデルに基づく大域的な運動論シミュレーションを用いた結果から、従来のバウンス平均理論モデルが予測するSuperbanana-plateau領域と呼ばれる新古典トロイダル粘性が衝突周波数に依存しない衝突周波数領域が大域的シミュレーションでは現れず、一方で、二つの大域的シミュレーションで得られるNTVの衝突周波数依存性はよく一致することが明らかになった。この、理論モデルと大域的シミュレーションの差異について、最近の研究でトロイダル歳差ドリフトの磁気シア依存性の理論モデルにおける取り扱いの不備が指摘されている。本発表では、局所近似した粒子シミュレーションを用いて、この歳差ドリフトの磁気シア依存性がNTV評価に与える影響を調べ、理論モデルと大域的シミュレーションにおけるNTV評価の不一致の原因について議論する。